密閉、密集、密接をまとめたものである、新型コロナウイルス対策の標語は?

今週読んだ本

 

・『江戸川乱歩トリック論集』

 気になってたいわゆる「類別トリック集成」が読めるとのことで購入。

 類別トリック集成とそれに基づくエッセイを集めた一冊。性質的に仕方ないのだけど同じ話が何度も載っている。そのおかげで乱歩が気に入ったトリックが見えてくるので悪い点だけでもないが。

 今となっては古典に分類されるような作品ばかりだけど、現代のミステリのトリックもここに書かれているものの変形として網羅できているように思う。機械的なトリックよりも心理的なものの方に重きを置いているのは乱歩らしい感じがする。

 

・『捜査線上の夕映え』

 久々に読む有栖川有栖。

 マンションの一室でスーツケースに押し込められた状態で発見された遺体。容疑者にはいずれも完璧なアリバイがあって……という話。アリバイ崩しものだと思って読んでたら、最後の100ページくらいでトリックも動機もすごい展開をしだしてどんな顔をしていいのか分からなくなってしまった。コロナ禍の描写がもう懐かしく感じてしまう。

 

・『日常やめたらしたいこと』

 アイドルから吸血鬼まで、タイトルどおりに非日常の存在をテーマにした短編集。とはいえ、彼女らには彼女らの日常があって、その部分を作者らしい派手な絵柄で描かれていてよかった。

 

・『偽りのマリィゴールド 1~3』

 死んだ兄の文通相手だった令嬢のために、自分が兄だと思わせる女の子の話。

 大正時代あたりが舞台なので、その時代らしいイベントがてんこもり。想像していたのと全然違うヘビーなストーリーで、正直今後が大変そうなラストでもあるのだけど、二人の未来が幸多いものであることを祈りたくなるようなお話だった。

 

・『お姉さまと巨人 6』

 新章突入の導入編。知ってるでしょ?みたいな感じで新キャラを出してくるケレン味いいね、と思ってたら一人は知ってるやつっぽい。これも百合とか言いだしたのちょっと面白かった。

 

・『魔性の乙女の役廻り 1』

 全員が偽名で、それぞれが目標とする役割を演じなければいけない女学校に入学する話。これだけならまだしも全員孤児院育ちなのは本当に大丈夫な機関なのか。

 とはいえ全体的には学校が舞台のいい感じのコメディなので今後に期待。