今週読んだ本
・『ペッパーズ・ゴースト』
他人の未来を少しだけ見ることができる教師と、猫の虐待を唆していた人間に制裁を加えていく二人組を書いた小説の内容が次第に入り乱れていく構成の小説。伊坂幸太郎らしい爽やかなオチではあるけれども、私的制裁やテロの扱いが今まで以上に危ない気がする。
・『犬婿入り』
弟と二人で留学した先のドイツで晒される偏見に耐えられなくなる女性を描いた「ペルソナ」と、個人塾を開いている女性のもとに民話・犬婿入りのように男性が押しかけてくる「犬婿入り」の二作が収録。どちらも世間とのずれが限界を迎える瞬間を書いていて面白かった。
・『バッタを倒しにアフリカへ』
「バッタに食べられたい」との想いから昆虫学者になった著者が、バッタ研究のためにモーリタニアまで初のフィールドワークに向かう様子を書いた自伝的著書。研究成果よりは、モーリタニアでの生活や研究者として身を立てることへの苦労といった内容が多く、それでもバッタの研究をしたいという熱意が伝わってきた。
・『批評の教室 チョウのように読み、ハチのように書く』
文芸批評とはどういうものか、どのように行うべきかなどについて、語り口は平易ながら結構厳しいことも書いてある新書。私のこれも一応は読者に向けた文章ではあるということで、果たしてここに書かれていることを意識できているかなど、身につまされる内容だった。
・『魔女とくゅらす 1』
魔女狩りで離れ離れになった師匠に再開したが、彼女は当時とは見る影もない無気力な姿になっていて、というところから始まるコメディ。おバカなギャグが多めではあるものの、登場人物のそれぞれが魔女狩りによる傷を抱えた暗さもあって面白かった。